唎酒師サミット2016 in 台北 開催報告

2016年5月21日(金)~23日(月)に、「唎酒師サミット2016 in 台北ツアー」が開催されました。

(1)台北市内の日本酒売場の視察
アジアを中心に展開する高級スーパー「CITY SUPER」内の日本酒売場の視察を行いました。数十種類以上の日本酒がズラリと並んだ棚は、管理がしっかりと行き届いている日本の高級店に匹敵する規模で、台湾における日本酒人気の高さを伺わせました。他にも、食品売り場では、日本食品類の多さに驚かされ、日本酒、日本産ウイスキー、日本の食品等の商品は現地産の商品に比べて数倍の価格であったが、それでもたくさん売れるという、台湾市場には「日本産食品」の需要が確かにあるというふうに感じました。

「CITY SUPER」にて、前園氏のお話を聞いている様子

(2)中華料理と中国酒・日本酒の相性体験
台北市内のレストラン「春申食府」にて、中華料理(浙江料理)と台湾老酒3種類、日本酒3種類との相性体験を行いました。SSI International顧問・台湾支部支部長である呉裕隆氏、SSI International台湾支部役員の前園富士夫氏、Emma Wang (王介芳)氏、SSI長田卓研究室長のナビゲートで、「紹興酒と老酒の違い」、「台湾老酒の特徴」などを試飲しながら学習いただきました。また18年熟成台湾老酒と、17年熟成古酒(日本酒)との比較を行うと共に、台湾料理の特徴として「福建料理をベースとしていること」、「広東、北京、上海、四川などの料理と比較すると、油も塩分も控えめでヘルシーな料理が多いこと(ベジタリアン料理も多い)」、「味付けがやや甘いこと」、「米や米粉を使用した料理が多いこと」、「スープ料理が多いこと」、「小皿に盛り、品数を多く食すこと」、「熱帯性気候で果実類が豊富なこと」なども学んで頂きました。

20人座れる円卓で学習しながら夕食を楽しみました    相性体験料理の一つ「北京ダック」

「春申食府」にて集合写真

(3)唎酒師サミット2016in台北(第1部:パネルディスカッション、第2部:交流会)
台北市内のレストラン「金品茶樓」を会場とし、台湾在住の国際唎酒師約80名、日本の唎酒師約15名が参加された本サミットは大盛況となりました。

まず、パネルディスカッションでは「台湾市場と日本市場におけるこれからの日本酒トレンドをテイスティングを通じ解き明かす」と題し、SSI長田卓研究室長コーディネートのもと、日本では「居酒屋だけでなく、これまでにない業態で日本酒が飲まれていること」、「日本酒の蔵元を巡る旅が人気なこと」、「女性層の人気が高まっていること」、「日本酒輸出数量では台湾が第3位であること」などを解説した後、呉裕隆氏がこの数十年間で台湾市場がどのように変化してきたかを説明。続いて第4回世界唎酒師コンクール台湾代表・ファイナリストである黄式賢氏が現在の台湾市場の特徴を説明。続いて台湾支部役員であり、飲食店を経営するMichael Ou (欧子豪)氏とLinda (陳宜君)氏からは、近年のお客の嗜好や人気のテイストなどを説明すると共に、唎酒師がもっと勉強していく必要を力説しました。次に、日本酒の輸出入に携わる前園 富士夫氏とEmma Wang (王介芳)からは、上海や香港と比較した台湾市場の特徴、日本の蔵元が台湾市場に期待することなどを説明、さらに今後の動向を予想しました。 

パネルディスカッション時の会場の様子

続いて行われた交流会では、約100本用意した日本酒のほとんどが空になる程の盛り上がりで日本酒を通じた台湾の唎酒師と日本の唎酒師の交流が計られました。

日本からの参加者が前方で紹介されました         呉支部長の乾杯で交流会がスタートしました

日本から参加された町田様にご持参いただいた日本酒(新政NO.6)は大人気でした

SSI International日置晴之会長は、日本からの情報発信を強化すると共に、このような学べる機会、交流できる機会をもっと設けていくことで、日本酒を通じた友好を計っていくと述べました。

SSI International日置会長の挨拶

(4)台湾の清酒蔵である桃園酒蔵見学
台湾で清酒製造を行う「玉泉」醸造元 桃園酒蔵見学を行いました。広大な敷地では、清酒だけでなく、老酒、ワイン、焼酎、ブランデーなど多様な酒類が製造されておりました。この地は非常に軟水であることが特徴で、出来上がった清酒も非常に飲み口が柔らかいことが特徴。さらに、暑い土地なので温度管理には細心の注意が必要であると工場長から伺いました。日本統治時代に創業したこの会社は、1915年から約100年に渡り台湾清酒を造り続けています。激動の時代を乗り越え、現代の消費者のニーズに合った清酒造りを目指されていること、台湾に輸入される日本酒と差別化を計り、双方が発展するような市場開拓を目指したいと言われたことが印象的でした。

工場見学の様子

桃園酒蔵にSSI Internationalの旗を寄贈させていただきました         桃園酒蔵で記念写真
 
(5)セミナー:台湾で好まれる日本食と日本酒の肴
台湾支部役員のマイケル氏がオーナーを務めるHANABIで、昼食を兼ねたセミナー「台湾で好まれる日本食と日本酒の肴」を開催しました。

台湾で獲れた新鮮な魚介類や地鶏などの素材、台湾の醤油や味噌などの調味料を使用しつつも、正当な日本料理に仕上がっており、マイケル氏の腕の確かさに驚嘆の声が上がりました。これらの料理と典型的な4タイプ別日本酒の試飲を行いましたが、新たな気付きの多い相性体験となりました。

また現在台北には、約1500件の日本料理店が存在し、日本酒の取り扱いに注力する店舗が増えているとのことだが、今後もより増えていくとのことでした。

HANABIにて提供された料理の一部            マイケル氏によるセミナーの様子


最後の食事の後、お店の外で記念撮影

今回の「唎酒師サミット2016 in 台北」は、「台湾の食・酒を学ぶ」ことをコンセプトにした企画でしたが、今後も様々な国において、同様のイベントを開催していく所存です。最後に、日本、台湾共にご参加いただいた皆様に、心からの御礼を申し上げる次第です。

今後、SSIならびにSSI Internationalでは様々なイベントやセミナーを各国で行ってまいりますので、ぜひともご興味ある方はご参加ご検討ください。

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