Vol.6 恵比寿で京のおばん菜と喜久酔に酔う 京のおばん菜「花わさび 縁」(恵比寿)


お酒の神様が居着いている心地良い小料理屋さん
人生ン十年も生きていると、「縁」というのは不思議なものだな、と感じることが多々あります。世界中には何億もの人が住んでいますが、気が合って、何度も楽しく酒を酌み交わすことができる人に一生のうちでどれくらい出会うことができるのでしょう。
「縁」は人に限ったことではなく、会社や住まいも何らかの縁があったから、そこで働いたり生活しているのでしょうね、きっと。
と、前振りが長くなってしまいましたが、今回はご縁があってここ数年私が頻繁にお邪魔しているお店、「花わさび」さんをご紹介いたします。
恵比寿と聞くと焼き肉やモツ鍋、はたまた立ち飲み屋やワインバーなど「どちらかといえば若い人向け」のお店を連想されるかもしれませんが、駅からほど近い ビルにあるこちらは、落ち着いた「大人向け」の小料理屋さんです。落ち着いたと言っても、銀座の裏通りにある黒塗りの車がお迎えに来ているような堅苦しい 高級割烹とは異なりますのでご安心を。



喜久酔に惚れ込む
「花わさび」さんで扱っているメインの日本酒は、おいしい蔵が多い静岡県にある青島酒造さんの「喜久酔」です。お店では、焼酎はいろいろ銘柄を変え仕入れ ていらっしゃいますが、日本酒は「喜久酔」が主軸。たしかに料理との相性を考えて作られた「喜久酔」の丁寧で優しい味わいは、「花わさび」さんの繊細な料 理の食中酒としてベストマリアージュと言えるかもしれません。

野菜ってこんなにおいしかったの
席に着いてまず出てくるお料理は、ポタージュスープです。それも、じゃがいもやかぼちゃといったありきたりのものではなく、万願寺とうがらしなど味から簡 単に言い当てることができない素材が使われています。お客さんはたいていこの一品目で「おいしい」と唸り、次に出てくる料理をワクワクして待つことになり ます。
お店では、京都の農家と錦川政から日替わりで届く新鮮な野菜がふんだんに使われています。季節によっては、お店のスタッフさんたちが自ら小田原にある畑で 収穫してきた野菜が並ぶこともあります。そんな旬の野菜や魚介類を使ってお客さんが喜ぶ料理が次々に出てくるのです。
たとえば、高級フランス料理店に行って「フォアグラの何とか風」のような料理がおいしかったとしても、なんだか「あたりまえ」な気がします。一方、コロッ ケや秋刀魚の塩焼きなど、子供の頃からなじみのあるメニューなのに比べられないほどおいしい、と驚かせてしまう「花わさび」さんに、やはり軍配が上がって しまいます。私は子供の頃、酢の物が苦手でおせちの紅白なますは絶対に食べなかったのですが、京野菜を使った「花わさび」のなますは大好きです。
最近、スーパーの店頭で京野菜をちょくちょく見かけるようになりましたが、ゴーヤーチャンプルーのように「この料理に使う」ということは、まだそんなに知 られていないように感じます。そんな時に花わさびに来て「京のおばん菜」を研究してみてはいかがでしょうか。



材料に妥協なし
ますますデフレ傾向が強くなる昨今、厳選した食材を使っていくことは並々ならぬご苦労があるかとお察しいたしますが、「お客様をがっかりさせたくないので 材料の質は落とさない」と、店のオーナー兼料理長の弘美さんは熱く語ります。そんな真面目な料理人さんが作る料理と真面目な蔵元さんが作った日本酒を楽し みに恵比寿へいらっしゃいませんか?(お越しの際は事前にお店までお電話を入れていただけると助かります。)


京のおばん菜「花わさび 縁」
渋谷区恵比寿1-8-7 三恵8ビル6F
03-3444-5410
平日 17:45~24:00(L.O)
第1・3土曜日 17:45~22:00(L.O)
定休日:日曜、祝日、第2・4土曜
http://www.hanawasabi.com/

レポート:佐藤美代子

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