Vol.16 岩瀬酒造「山廃仕込み横坂杜氏の栽培米」(千葉県)


「千葉の地で米を作り、その米を使って、山廃の酒を造りたい」
横坂杜氏は、それをさせてくれる蔵を探していました。その土地の米や水を使って造る酒が、気候風土に合い、一番おいしいと思ったからです。そして、その熱い思いが叶ったのが、千葉県御宿町の岩瀬酒造との出会いでした。





岩瀬酒造は、『月の砂漠』でおなじみの御宿は房総半島外房の中ほどにあります。
東日本大震災では、堤防ぎりぎりまで津波が押し寄せましたが、蔵も町も無事でした。
おいしい水をたたえる、岩の井の井戸は、今も元気に、酒造り、地元の人の飲料水にと活躍しています。

自らを、百笑(ひゃくしょう)と名乗る横坂杜氏は、丹精込めて育てた減農薬の「総の米」(千葉県で開発された酒造好適米)を使い『山廃仕込み横坂杜氏の栽培米総の舞』を造りました。
その味は・・・
う~ん!酸のしっかりした、力強い味わいです。あと味はすっきりとキレがよく、肉でも魚でも、口の中をリセットしてくれる万能食中酒!!
人肌燗にすると、さらにまろやかになり、食事と一緒にどんどん飲めます。
こだわりが詰まっている割には、わかりやすくて、安心して飲めるのもよいところです。
春までは生原酒でしたが、これからは、火入れしたものが出回ります。

蔵を訪れると、時が止まっているような、不思議な感覚を覚えます。
入ってすぐにある、レトロな洋館には、先代の社長が、趣味で撮り続けた、『あまさん』の写真が展示されています。無防備に微笑む女性たちは、豊かな海の象徴であり、街人と蔵の、いい関係が、見て取れます。
また、鍵のかかった倉庫には、たくさんの古酒が、出番を待って、眠っています。


(写真は社長の背中と、古酒)

そして酒造りの現場は、打って変わって活気にあふれています。横坂杜氏を筆頭に蔵人さん達も、作業に追われます。
私のお邪魔した日は、都内の酒販店さんの研修生を、3人ほど受け入れていました。



御宿駅から、徒歩10分位ですので、仕込みの終わった今の季節は、のどかな雰囲気を・・・仕込みの季節になったら、熱い男、横坂杜氏に会いに、出かけてみてください。

岩瀬酒造株式会社
http://www.iwanoi.com/

レポート:平塚みゆき 

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