Vol.14 油長酒造「風の森 秋津穂 純米しぼり華(純米無濾過無加水)」(奈良県)


美味しい日本酒は数あれど、美味しければ美味しいほど、高いのが常識ですよね?
しかし、そんな常識を嬉しく裏切ってくれるのが今回ご紹介する「風の森」です。



醸している「油長(ゆうちょう)酒造」さんは、西に葛城山、金剛山、南に風の森峠を望む奈良県御所市(ごせし)の中心部に位置する享保4年(1719年)創業の歴史あるお蔵です。
そうです。このブランド名は実在する場所「風の森峠」から由来しています。
「風の森」の特長は、全量が ①純米 ②無濾過 ③生酒 ④原酒(加水処理していない)という所にあります。

数種類あるラインナップには、原料のお米に山田錦や雄町を使用したものもありますが、中心は地元・奈良県産の飯米である秋津穂(あきつほ)やキヌヒカリ、同じく奈良県産の酒造好適米の露葉風(つゆばかぜ)を使用しています。
その「風の森」の中で、今回ご紹介するのは、最もコストパフォーマンスが高い「風の森 秋津穂 純米 しぼり華(1.8L:1,995円、720ml:998円)です。
地元の契約農家に減農薬で丁寧に育ててもらった飯米「秋津穂」を、地下百メートルの深井戸から汲み上げる金剛葛城山系のもたらす清冽な湧水で仕込み、約40日かけて低温でじっくり醸したお酒です。
年間を通じて、非加熱で出荷する「生酒」であるがゆえ、出荷後に酒質が保たれるようにするために、蔵では造りから搾り、タンクでの保存の仕方に至るまで様々な工夫がなされているそうです。

上立ち香はほんのりと穏やか。口に含んでみますと、生酒らしい透明感のあるしっかりとした酸、骨太なコク、米の味を最大限に引き出した旨味。それでいて、スパッと切れ味があります。また過剰な香味を感じさせないピュアな味わいですので、食事をしながら何杯でも飲みたくなるお酒です。これぞ究極の食中酒ではないでしょうか。さらには、生酒らしい生き生きとした微発泡感の残るお酒ですので、ワイングラスに注いで「乾杯」用のお酒にもぴったりのまさに「華のある」お酒です。



「普通の人が日常的に飲める値段で、飲むほどに杯が進む酒を造りたい。」この志で創業290年のお蔵が11年前に立ち上げた「風の森」ブランド。私が、今、最も愛してやまない一押しのお酒です。みなさまも是非、一度お試しください。



データ
風の森 秋津穂 純米 しぼり華
原料米:奈良県産 秋津穂100%使用
精米歩合:65%
アルコール度数:17度
使用酵母:K-7系
もろみ日数:38日
日本酒度:+3.5度
酸度:1.9
仕込水:金剛葛城山系深層地下湧水(硬度214mg/L 硬水)

油長酒造
http://www.yucho-sake.jp/Site/TOP.html

レポート:船橋祐子 

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