Vol.8 浦野合資会社「豊田の地酒 菊石」(愛知県)


愛知県豊田市に創業元治元年(1864年)より日本酒本来の旨さをだすため手造りにこだわっている酒蔵があります、お酒の名は豊田の地酒「菊石(きくいし)」。すぐに売り切れになる季節ごとの限定酒もとても楽しみな旨さなのですが、ワタシの溺愛酒はやはりいつでも楽しめる定番の「菊石 五百万石純米吟醸」です。



富山産の五百万石を使用、香りは上品な華やかさ、口に含むとすっきり舌の上を流れるも後味はしっかりしたお米の余韻が残ります。また温度によって香りと味の変化が楽しめるお酒で、少し固いツボミからだんだんと花が開くような、香りと味が華やかに深くなっていく様子が自然で呑み飽きしません。お酒だけでもお食事をしながらでもいつまでも優しく頂けます。



杜氏は新井康裕さん、まだ30代でイケメン杜氏として地元では有名です(ガンダム好きでも有名です、笑)。杜氏として独り立ちされたのはこの数年なのですが、「五感+数字。経験が足りない分何かで補わないといけない、僕の場合は分析」と日々真剣にお酒と向き合われている熱い方です。また「蔵で、皆で一生懸命造った作品」「皆の努力の結晶」と「皆」という言葉をよく使われるのも印象的です。

 

毎年春の蔵開放には、地元の方をはじめ遠方のファンまで本当に沢山の方がいらっしゃいます、今年は1300人以上の方がいらしたとか。蔵の中を見学した後、毎年蔵開きにあわせたかのように美しく咲くとても大きな100年桜の下でおいしいお酒とおつまみを和気あいあいと楽しみます。

決して大きくはない酒蔵ですし、なかなか愛知県から出回ることのないお酒ですがネットで購入できます。蔵にかかわるすべて人の優しさがしみこんだお酒を是非お楽しみ下さい、なお平成22年度の愛知県きき酒研究会(愛知県酒造組合主催)では県知事賞も受賞されています。



*余談ですが安房直子さんの児童文学で「ハンカチの上の花畑」という本があります。主人公が酒蔵のおばあさんから小さなツボを預かるのですが、ツボの中には菊の花からとてもおいしいお酒をつくる小人の家族が住んでいて・・・という内容で、そのお酒が子供ながらとてもおいしそうに感じお酒っていいなと思ったきっかけだったかも、菊石を頂く時はよくこの物語を思い出します。

データ
菊石 五百万石純米吟醸 720ml
価格:1,596円
原材料:米・米麹
アルコール度数:15度以上16度未満
原料米:富山産 五百万石
精米歩合:55%

浦野合資会社
http://www.kikuishi.com/

レポート:なお↑(大野直弥)

女唎酒師軍団が選んだ偏愛酒・溺愛酒