Vol.20 土井酒造場「開運 大吟醸 波瀬正吉」(静岡県)


言わずと知れた静岡の名醸蔵 土井酒造場の現役杜氏の名前を初めて冠したといわれる最高峰のお酒です。
ひと昔前、私は純米酒だけが酒であると偏った思い込みをしていた頃、このお酒に出会い目から鱗が剥がれ落ち、涙がぽろりとこぼれました。
美味しいという言葉だけでは表現しきれない なんと美しいお酒なのだろう!穏やかな香り 清冽で力強い透明感、キレ良く喉をすべりおちていったのによみがえる旨さの余韻にうっとり…アル添酒に対する偏見とこだわりが吹き飛びました。このお酒を造った波瀬正吉という人に会いたい!
能登流四天王の一人という名杜氏でありながら「酒造りは毎年が一年生」と語るその人に会いたい!!
 
2007年1月ついに蔵元体験実習という形でお蔵に。波瀬杜氏にお目にかかりお話を伺いその大きな暖かいお人柄に触れてより一層このお酒が愛しくなりまさに偏愛酒となりました。




明治5年創業の土井酒造場は伝統的な建物の中に大型排水処理施設やソーラー発電などの最新の酒造設備が整えられています。兵庫特A地区の特等山田錦を使い鑑評会出品用に仕込まれるタンクの中でも特に良いのにその名が付けられる酒好き垂涎の的「波瀬正吉」ですが2009年7月波瀬杜氏が急逝され、蔵元土井社長は一時「もう波瀬(の名の酒)は出さない…」と言われたそうだが、全国の開運ファンから、なくさないで欲しい、その名を残して欲しいとの多くの声が届き土井社長も「天国の波瀬さんがこれならいいと言ってくれるお酒ができたら…」と、そして跡を継いだ榛葉農杜氏はじめ蔵人の皆様のたいへんな努力で「伝・波瀬正吉」として出されました。
「自然に逆らっちゃいかん、基本に忠実に、生き物をなめちゃいかん」と語っておいでだった波瀬杜氏、プレッシャーはいかばかりであったかと…が、「伝」を一口頂いた時、あーここに亡き杜氏の心と技は生きている!と実感しまた涙しました。
 
心から愛するお酒なれど、一升が福沢諭吉のお値段なのでさすがに常日頃飲む訳にはいかず(笑)
 
そんな時は「開運 無濾過純米」体験実習のおりお蔵で初めて飲んでぎゅぎゅっと心をつかまれました。
無濾過ならではの濃厚な旨みとフレッシュ爽やかな透明感、なんといってもリーズナブル!それ以降我が家の冷蔵庫の常連さん(笑)手土産にも大活躍の1本として溺愛しております。
 
勿論他にも美味しいお酒ばかりなのですが、この偏愛酒「大吟醸 波瀬正吉」と溺愛酒「開運 無濾過純米」は特におすすめです。是非飲んでみて下さいまし。
 
データ
 
大吟醸「伝・波瀬正吉」
アルコール分:17度以上18度未満
精米歩合:麹米40% 掛米35%
全量国産米

 
純米「開運 無濾過純米」
価格:1800ml=2,620円(税抜き)
720ml=1,350円(税抜き)
アルコール分:17度以上18度未満
原料米:山田錦100%
精米歩合:55%
国産米100%使用
 
土井酒造場
静岡県掛川市小貫633番地
http://www.kaiunsake.com
 
レポート
住友弘子

女唎酒師軍団が選んだ偏愛酒・溺愛酒