Vol.39 ご馳走は日常に…素材の力を表現する店 きたうら善漁。(宮崎県延岡市)


今回は九州宮崎県からお店紹介をお届けしますが、まずは皆様延岡市をご存知でしょうか?
宮崎県北部に位置し、多くを山に囲まれ、そこから流れ出るいくつもの河川が市内を走る水郷であり、東は日向灘に面しているというまさに山川海3拍子揃った豊かな自然の恩恵が溢れる地域なんです。
そんな延岡の街の中心部に本日紹介します「きたうら善漁。」(きたうらぜんりょうまる)さんはお店を構えていらっしゃいます。



外見は一瞬お店?と戸惑うような小さな看板のみ。まるで友人宅にお邪魔するかのように引き戸を開ければ出迎えてくれるのは穏やかな笑みをたたえた女将、そしてゆったりと広いカウンターの向こうに鋭い眼差しで料理にむかう引き締まった表情のご主人。
テーブル席や個室もありますが、特等席はやはりカウンター。整えられた席に着くと、そこからが大人の贅沢時間の始まりです。
まだまだ北風の強いその日はしっとりと霧の吹かれたお椀からのスタート。日本料理のイメージだと冷たい前菜が出てきそうなものですが、まずは温まってもら いたいとの心遣い・・・蓋を開ければ目にも美しく、湯気とともに季節の香りに包まれ、冷えた身体と心がほわんと緩みます。
素朴ながら味わい深い器で提供される料理はどれもシンプル。あくまでも主役は素材であり、料理人は演出家であるとおっしゃるご主人。自らも漁師の経験が有 り、生産者の作る・育てる・獲る苦労を理解し、自分の納得できる素材を探し選ぶことに最も時間をかけると言います。技術より心、高級食材でも凝った料理で も無く、その素材が喜ぶように、本来の味を最大限に引き出すための仕事をするのが自分の料理だと熱く語ってくれました。



水や調味料もすべて厳選されており、お醤油も甘・辛口2種類用意されていて、九州の甘いお醤油が苦手な私にもうれしい限り。

もちろんお酒も・・・宮崎県はまだまだ焼酎文化の強い土地ですが、心配はご無用。
お料理に合うようしっかりと考えられたラインナップであまり知られていない銘柄もあり、ご主人と相談しながら楽しむとその組み合わせの妙も味わえて、つい飲みすぎてしまいます。

県外や海外からのお客様もあり、航空会社の機内誌にも取り上げられる程の人気店、1日4組限定ですので予約は必須です。本当に美味しいタイミングを考え、 来店時間に合わせお魚やお肉の熟成時間にまで気を配った準備がなされるので、最高の状態の料理がいただけますよ。しかも東京では倍値はしそうなクオリティ です。



少々交通の不便さがあり大きな観光地という訳ではありませんが、地酒蔵・焼酎蒸留所・地ビール醸造所もある延岡。一時間車を走らせればワイナリーもありま す。ちょっとした見所もありますのでこれからの季節、付近の散策を楽しみ、夜はこの地の料理に舌鼓なんていかがでしょうか。この土地でしか味わえない出会 いがここにはあります。大切な方とわざわざ足を運んでも損はありませんよ!
是非皆様、延岡に、「きたうら善漁。」さんにお越しください!!



日本料理 きたうら善漁。
宮崎県延岡市本町1丁目3-14
TEL.0982-31-0051
18:00~22:00
定休日:日曜
http://zenryomaru.jp/
レポート:武井千穂

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